2023年09月20日

無農薬無肥料栽培品の市場流通は?

昨今 食の安全性や免疫力UPなどと、有機栽培 無農薬・無肥料栽培食材を求める方が増えて来ていますが・・・
生鮮食材(青野菜)は、スーパーなどの市場流通では、あまり増えていない 対して加工食品や飲食店では 有機やオーガニック 無添加を掲げる店舗は増えています。

それは 前回の記事  慣行・有機・自然栽培・自然農 の違いと 栽培方法で収穫量が変わるにも書きました 
野菜やお米は 農協を介して市場に流れます 農協指導の慣行農法(化農薬肥料)と有機JAS認定のものが 品質管理された食材として 主に流通しています JAマークや JASマークは品質表示と同等に扱われています。

食品加工品や飲食業では 市場を介さず 事業者と 有機栽培・無農薬無肥料栽培品は契約農家との信用取引がされている為 その事業者や飲食店が 品質を認めた食材として扱われ 増えている訳です。

有る程度の耕作面積を有する生産農家は 飲食店や事業者と直接取引が可能 対して 小規模農家は慣行農法で 中規模農家はJAS認定で、市場流通に頼ることに成ります。

農協を介さず JAS認定を受けない 自然栽培や無農薬・無肥料・減農薬肥料で栽培する小規模農家は 生産物の市場出荷が出来ないので 自店直売・ネット販売・同様な農家が集るマルシェ(青空市)等で、消費者の方との直接取引に成ります 

この市場の構図が 新規就農者(継承・担い手・暖簾分け就農を除く)が増えない 転職就農者が増えない一因でもあります
健康的で安心な有機や自然農 無農薬・無肥料栽培を理想に掲げ 新規就農を志すが・・・・ 
小規模農家ではJAS認定は難しい(費用対効果が無い) 企業や事業者との取引も難しい(生産量が少ない)為 栽培品の販売方法が限られ 生計を立てることが難しい・・・商いとして成り立たない為 諦めてしまう方が多いと思われます。

しかし 新規就農者は、増えていないとは言え 少しづつでも増えているのも事実です。
ではどの様にして 新規就農を果たし 生計を立てているのか・・・・? これを考えるのが 腕白農業研修会 Naughty Agriculture Workshop です。

腕白農園がある愛知県では 新規就農の条件 
20aの耕作地の保有が必要ですが 普通に栽培しては 10a辺りの収入は12〜24万円程度 20aで年収100万円にも満たない 
農業を副業として就農は基本出来ません 農家を生業としての就農に限られていますが 農業を継続する 農業収入を補う副業を持つ事は認められています。
生業が農業なのか他の職種なのか 一見同じ様に思いますが 現職をそのまま生業とし副業農業はダメ 農業を生業に始め 補う為に副業はOK の原則です。

着眼点を変えれば 方法は見えてきます この先 これらの方法を書いてゆきます お楽しみに 


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posted by 腕白オヤジ at 17:40| Comment(0) | 概論・自論

2023年09月16日

栽培方法で収穫量が変わる

前回は 慣行・有機・自然栽培・自然農 の栽培方法の違いに付いて書きました。

慣行農法は 化農薬・肥料を使用して 安定した品質・採れ高を維持する 現在の支流農法です。
この農法は、戦後の高度成長期に 市場流通に欠かせない必要な農法だった事は否定できません
現在は時代も変わり 寄り良い物を 安心や健康面などを求められる為 科学部質を使わない 有機物質 自然由来の農薬や肥料を使う 農法に換わりつつあります

この有機栽培法を推奨する農林水産省は 有機栽培と慣行農法を明確にわける為 概念や基準を設け 有機JAS認定をしています。
認定を受けるには 条件をクリアーして許可 継続するにも費用が嵩みます 大規模生産農家には可能ですが 小規模農家には負担が多く 経営的に見合わないのも現実です それは採れ高 栽培品の収穫量が異なる=収益が違って来ると言う事ですね

農業で生活できるのか?で 稲作の採れ高に付いて書きました 
稲作 収穫量は一般的に水田 1 反当り米 9 俵程度と言われていますが 慣行農法でも栽培方法が異なり 次第では10俵 植え付け間隔や株間を狭くし相応の肥料を加える事で 11俵 12俵も可能と言われます、
米価は玄米 1 俵当り 13,000 円程度(農協経由市場の場合)所有する田圃の数で考えると歴然と差が出ます。

仮に慣行農法の稲作を基準に 10俵前後とすると 有機・減農薬の場合は7〜8俵2〜3割減に成ります
自然農と言われる 殆ど原始的な栽培だった 1600年代の江戸時代初期の平均収量を見てみると約1石(3俵前後)/反 だったと言われています 田圃一反で米が1石採れる事から 一石の主と呼ばれた 
稲の品種改良 交配させ寄り穂が多い品種などに改良され 栽培方法 有機肥料(自然な物)改善改良され 大正 明治の頃には採れ高は飛躍的に増えてきました 現代の慣行農法前の、昔ながらの自然栽培です。

稲作以外でも同様に 化農薬肥料を使用する慣行農法を10とすると 近代農法(ハウス・水耕・AI)は12〜以上にも 有機栽培は9〜8 無農薬無肥料の自然栽培では7〜8 不起耕自然農では更に収穫量は減ります  
農業として考えると 不起耕自然農は採れ高が極めて少なく 商いにはなら無い 消費目的や趣味の域と言っても良いと思います。

化学肥料農薬は使用したく無い 人工的な有機物質も使用し無い 自然由来の物だけで栽培がしたい 昔ながらの自然栽培で そこそこの採れ高を望みたい・・・・矛盾した考えに成りますよね

最近では 色々と新しい栽培法が提案されています
腕白農園の稲作は 化肥料農薬を一切使用せず 更に市販の有機肥料も使わず 自然由来のものだけを使用しています。
刈取り後 ヘアリーベッチ(マメ科)の種をまき 田植え前に鋤き込む緑肥 藁や籾殻 米糠ぼかし 発芽玄米醗酵酵母液(EM菌液)などを使用して栽培 採れ高は慣行農法には及びませんが 凡そ8俵を得ています
減農薬・有機肥料栽培で 7.5俵と言われていますが 若干採れ高は良い様です。


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posted by 腕白オヤジ at 07:34| Comment(0) | 栽培知識

2023年09月13日

慣行・有機・自然栽培・自然農

農作物の栽培方法は 大きく分けると 慣行農法・有機栽培・自然栽培・自然農に分けられる 自然農法は支持する人で自然農とか自然農法と区別する人も居る様だ

栽培方法に何が違うのか
1.慣行農法に付いては前回の記事「慣行農業って何?」で紹介している様に 農協指導の栽培方法で化農薬や肥料を使用して 均一な品種 生産量を上げる為の栽培方法ですね

2.有機栽培とは 化学物質を使用せず 自然由来 有機物資を使用して栽培をする農法 
これは農林水産省の定義があり 認定を受けた生産者に 有機JAS認定が与えられ 有機栽培品と表記が出来る
認定されていない生産者は「有機〇〇やオーガニック〇〇」と表記ができない
逆に有機JAS認定を受けていると 有機や自然由来でも肥料や農薬を使用するので 無農薬・無肥料と言う表記は出来ない 
解りやすく紹介しているサイト「有機JAS規格とは?認定制度や表示マークについて」 

3.自然栽培とは これ関しては 色々と異なる見解を示す方々が居ます 大きく2種類かな
@ 近代農法・慣行農法が定着する以前 昔ながらの栽培方法 勿論化農薬や肥料の無い頃の栽培なので 自然な物 家畜糞 培養土 緑肥 籾殻米糠ぼかし 等を肥料とし 発芽玄米酵母液(EM菌液)や醸造酢などを農薬として使用する栽培方法を自然栽培と言う 有機農法と同じ様に聴こえるが 農林水産省の言う有機肥料や農薬とは異なるので 有機とは表記できない 
A 一切の肥料・農薬を使用せず 自然から学び、自然を尊びながら自然に添っていく そして大自然の法則を田畑に応用するという方法 自然のままでは無く 人が手伝い 手を加え 自然と共生している栽培法

4.自然農法や自然農は 自然栽培の後者 Aと同様に一切の肥料も農薬も使わない栽培方法で 更に耕作地田畑を不起耕 耕さない栽培方法を言う 自然任せと言う感じかな
どちらが自然農・自然農法が定かではないが @一切耕さない栽培法と草も殆どそのままにしておく方法 A栽培する作物により、植える場所だけ若干土を柔らかくする 作物の周りだけ草を根上で切る等 少し手を加える方法

大きく4種類 細かく見て6種類の栽培法がある
1.の慣行農法は化農薬・肥料を使用する 2.の有機農法は有機物や自然由来の物を人的に加工した(農林水産省が認めた加工品)肥料や農薬を使用する方法
3のAの自然農法 4の@A共に一切の肥料や農薬を使用し無い 無農薬・無肥料栽培です

両者に属さない栽培方法が3.@の自然栽培方法 農協が作られる前 戦前の栽培方法 農耕が始まり人達が色々と考え思考錯誤して 少しづつ進化させてきた 昔ながらの栽培方法
土を耕し 沢山の空気を含ませ 緑肥や培養土を漉き込み 自然な栄養を与え 自然の常在菌で元気に 最小限の草を刈り育てる  人は作物が育ち易いように手伝うだけ 
農協が発足し、指導や推奨した栽培方法が 今の慣行農法と言うならば 農協が発足するまでは その受け継がれた来た自然栽培方法が慣行農法だったと言える

この腕白農業研修会は この昔ながらの自然栽培方法を推奨する 研究会です。 



posted by 腕白オヤジ at 11:17| Comment(0) | 概論・自論