2023年11月21日

百姓学宣言 宇野豊

百姓学宣言 著者 宇野 豊を少し紹介したいと思います。

この百姓学宣言は経済を中心にしない生き方を問いている著書です
経済を中心にしない生き方とは 近代農法 慣行農法に頼らない農業 科学的理論や理屈に惑わされず 百姓の長い歴史経験を重んじる事こそ これからの地球を救う事に繋がると論じています。

この本に付いて 解説?紹介をしている youtubeも見つけたので紹介します。
百姓NO学

農作物を育てる 栽培方法など 昨今はネットで調べれは色々と沢山出て来ます 
私も 確認の為にネットで調べてはいますが あくまでも参考にしているに過ぎません 作物を作る地域 場所 環境 土・・・・ありとあらゆる物は千差万別 同じ物はありません
調べた内容を参考に 自身の栽培地・環境に合う育て方を、日々研究し改良や改善して行く事が大切です
農業・百姓とは、常に作物の栽培方法を研究する研究員であり 体験者であり続ける事が仕事であり 生活であると思います 

近代農業は そう言った研究を怠り、農協指導の栽培法法(科学的・生物学的根拠や理論など)で どんな地でも農薬や肥料を使い 機械的に農産物を育て出荷市場に流通させる 農産物工場化しています
化農薬は 作物の病気を抑制する効果で 食物を薬漬けで育て 害虫駆除と題し害虫以外の有益な虫達も死滅させて居ます
化肥料は その地に含まれる有益な自然肥料を無視 若しくは阻害し 栽培作物のみに適応した栄養剤サプリメントとなり 本来その地に活きる菌や虫達が死滅・住めなくなり 循環される筈の栄養が機能し無くなり 栄養分を含まない単に土と化す スポンジ現象を起こす

以前「沈黙の春」著者レイチェルカーソン 近代農法は自然を無視に留まらず 破壊に繋がる事に警鐘を鳴らした本でした
この 百姓学宣言は 化学や生物論など 外からの理屈(経済を中心)では無く 日々の研究経験に基いた内側の知識こそが 本当の農学と問いていると思います。

長い歴史で培われた経験や知識の栽培方法 科学的なものに頼らない自然との共存共栄してきた栽培方法が 自然環境配慮栽培となり 強いては地球を救う栽培方法でも有ると私は思います。

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posted by 腕白オヤジ at 09:51| Comment(0) | 概論・自論

環境配慮のお米作り

ヘアリーベッチの雑草抑制効果

稲刈り・稲架掛け・脱穀が終わったら直ぐ 来年の稲作の準備が始まります。
秋起こしをする事で 刈り取った稲株や 稲藁を微生物による有機物への分解促進や 集積した養分の混和などの効果を持ち、作物の生育環境を最適に整えるための大切な作業です。。

秋起こし

耕転

藁の漉き込み
秋起こしをした後 ヘアリーベッチの種を蒔きます



ヘアリーベッチ hairy vetch ナヨクサフジ(学名:Vicia villosa)
ヘアリーベッチのアレロパシーによる雑草抑制効果
緑肥「ヘアリーベッチ」を活用した 有機稲作技術の確立 緑肥「へアリーベッチ」を活用して水稲栽培の化学肥料低減に取り組んでいます 農林水産省・環境省も推奨する ヘアリーベッチ栽培は 多くの県で取り入れられています。

以前は 春先になると稲作田圃には、蓮華草が咲いていました
近代農法・慣行農業が進むにつれ 秋起こしもされなくなり 田植え前に耕転して 雑草抑制剤農薬をまき 化学肥料を投入し 稲作がされるのが当たり前に成ってしまいました。

腕白農業研修会は稲作を始めた初年度から 無農薬・無肥料・除草剤不使用で蓮華草稲栽培をして来ました。
3年前から 蓮華草より緑肥効果・雑草抑制効果が有るとされるヘアリーベッチ栽培を続けています

田圃の様子

真菰
水や耕作土の浄化効果が有る真菰丈を植え タニシとの共存 除草剤を使用しなくても田圃の中には草一本も生えていません 水の澱みや藻の発生も殆どありません
お玉じゃくし・小魚・虫の幼虫・甲殻類が沢山動き回っています。

腕白農業研修会 研修田の周辺田圃は 相変わらず農薬散布をしていますが 草茫々の田圃 稲は何処?と言う田圃まであります 
慣行栽培を続けて来た農家さんは 無農薬・無肥料でヘアリーベッチ栽培をする事が怖くて出来ないのでしょうね 有る意味農協指導栽培が安心で安全 確実に収穫が約束される・・・神話に成っています 

ヘアリーベッチ栽培は 自然な環境が保たれていると感じます 環境配慮のお米作りですね



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posted by 腕白オヤジ at 08:07| Comment(0) | 栽培知識

2023年11月14日

農家の暮らしって、どんな暮らし?可能なの?

農家に成って7年 農家暮らしに付いて 少しお話を・・・・
農業に興味をもたれる方で 実際農家に成るとどんな暮らしに成るのかな・・?と思われる方も多いのではないかな
暮らしと言うと 色々な事が考えられます 真っ先に思う事は1.金銭面(収入と支出)次に2.労働時間(1日の作業時間や就労日数)そしてお勤めの頃との生活観・生活様式などの違いは・・・・?
これらを含めて 3.やって行けるのかな・・・不安しかない・・・に成られると思います。
1.2.3.を3回に分けて、書こうと思ったけど 一揆に書きます・・・長くなりますよ・・・笑

1.先ず金銭面 所得 収支は・・
以前の記事「農業で生活できるのか?」でも書きましたが 新規就農の条件 最小耕作面積は愛知県の場合20a(2反600坪)ですよね
この面積とは 農産物を販売して生計を立てるには、全く足りません 10a(1反300坪)での収穫益は12万〜多くて30万程度です 20aで培ですから 生活は出来ません

では何故最小が20aからなのか? 自家消費に必要な耕作面積と捕らえると 納得が行きます。
家族4人が必要な1年分お米は、約120s(2俵)耕作に必要な田圃は 約40坪 小麦などの穀物・イモ類栽培用畑に200〜300坪 季節の野菜栽培用の畑に200坪 余地に少し果物の木を植えれば果樹栽培が可能です
概ね 家族4人が生活に必要な農産物は自給出来る耕作面積と言う事ですから 収入は得られないが 食費の農産物の支出分が無い・・・と言う事ですね

従って その他の生活に必要な経費 農産物以外の食料品費・電気ガス水道のライフライン・居住宅費用(住宅ローン又は賃貸料)友好娯楽費・・・等は他で稼ぐ必要が有ります。
現在の農業者 農家の大多数は兼業農家と言う理由でもあります 
元々祖父の時から親も農家で、農業だけで生計が苦しいから兼業農家だった農家さん 現在のお仕事をしているけど美味しい安全な農産物を求めて兼業農家に成る・・・・どちらが先かの違いで同じ事ですよね 

2.農業就労時間 生活の時間は
これも以前の記事「農業者の定義」にも書きましたが 年間農業従事日数は150日以上 年間15万円以上の農業収益が有る者が居る 世帯の事です。
年間15万円以上とは 市場にとか販売益と言う意味では無く 自家消費を意味し 農業申告では自身が栽培した農産物を自家消費する場合 自身が農業者として売り、自身が消費者として買うと言う 売買収支になります その売上が年間15万円以上と言う事に成ります

次に年間農業従事日数は150日以上とは お勤めで考えると朝8時〜午後5時が定時となりますが 農業就労では 早朝に1時間収穫・田圃の水管理に1時間でも1日と数えます 勿論朝から晩まで1日仕事で収穫や耕作の場合もありそれも1日と数えます

会社勤めの場合 年間の出勤日は 280日前後 残りの85日前後は休日と成ります 出勤前や帰宅後の短時間農作業が半分と 週末農作業半分で年間農業従事日数は150日以上は可能ですよね これが 兼業農家の一年間と言う事に成ります。
この数時を見ると 会社勤めと農業従事時間で 休みが無い・・・と思いがちですが 先にも書いた様に 農作業時間は不規則で 1日中作業と言う事は滅多にありません 週末の過ごし方作業次第で 毎週には成らないけど 休みの日は作れます。

更に 年間農業従事日数は150日以上の世帯とあります 夫婦で分担すれば、主に奥様が作物の世話をし、午前農業 午後からは家事 旦那様は週末耕したりと重労働を担当すれば、十分に農作業をこなし十分な休日を作る事は可能です。
例えば 一般家庭で旦那様がお勤めで 奥様はパートにと言う考えに合わせれば パートの代わりに農作業をしパート給金が農産物に代わる 
旦那さんが週末の趣味ゴルフを、畑でゴルフクラブの代わりに鍬を振る農作業と考えれば 支出が減り農産物が増える・・・と言うことに成ります 

考え方次第ですが 特に何も変わらない生活スタイルも変わらない 楽しくて健康的で 安心安全な農産物が 美味しい農産物が食せる・・・・と良い事尽くしに成ります。

3.やってゆけるか・・・資金面ではどうか 老後は・・
先ず第一に 就農条件の20a(600坪)農地の確保資金(農地の購入費)街の郊外では田畑の価格は 地域にも寄りますが坪単価2〜4万円程度で購入するには 1200万円〜2400万円が必要に成ります。
20a(600坪)を全て自己所有にする必要は有りませんが 半分を借地(農地法3条小作人契約)でもOKなのですが 借りる事は難しいと思います。

一例ですが 私の場合は 夫婦で所有の以前の住い(約40坪)を2300万円で売却し 農地を750坪1500万円で購入 農地の近くでたまたま出た中古住宅(築19年)を1600万円で購入(差額は自己資産)で始めました。
既存の自宅を売却して 農地を購入し暫く賃貸物件での生活し 自己所有の農地で最小限の住宅を後に建てる(購入した農地は5年間宅地転用は難しい) 
若しくは、少し自己資産を投入して中古物件を購入するのも方法の一つですね

現状 賃貸で持ち家が無い 将来検討中で貯蓄をして居るのであれば その資金で農地を購入し現状賃貸での生活を続けながら 新居資金を積み立てる(農家は自己所有の地に農家を建てることが可能なので建物資金だけで良い)

どちらにしても 新規就農で農地の購入と住い等の資金として 約3000万円前後の資金は動く事に成ります
街中の建売住宅 分譲住宅(35坪)の購入資金は 3000万円〜4000万円が相場と成ります
街中で一戸建て(35坪)を購入しても 郊外で農地600坪と住宅(中古物件、若しくは将来農地転用で新築)しても ほぼ同じ金額で可能だと言う事です。

その為には 旦那様には兼業農家として定年までお勤めをして頂く必要があります それは自己資金だけでは足りない場合 銀行や公庫の融資を受ける必要が有るからです 一戸建て購入においても同様に 給与所得が返済条件と成ります。

そして老後の資金 定年後の資金の年金を考えると 旦那様が定年時までお勤めで社会保険 厚生年金を掛けていれば 奥様は農業所得が扶養家族限度枠内となり 厚生年金の対象者と成りますから 夫婦の年金自給額が国民年金とは倍近く異なります。
会社を辞めて田舎暮らし農家暮らしをすると 国民年金に切り替わり それまでのお勤めで厚生年金を掛けていても 基準期間(25年)に達しない為 年金受給額が国民年金程度と小額に成り 老後の生活が苦しく成ります。

1.2.3に付いて書きましたが それでも不安は消えない・・と思います
先ずは 農業研修会に参加して色々と研究してください 先ずは一歩踏み出す事からです。
そして 先ずは10坪程度のシェア農地から農業に触れ 徐々にシェア耕作面積を増やし 稲作チャレンジなどに参加し 農業体験から 栽培知識を得る事です
有る程度自信が付いたら、更に耕作面積を150坪・・・1反300坪と増やし 現在の生活環境と平行してやって行けるかを確認して下さい

やって行けそうなら やってみたい 自身が付いた 覚悟が出来た・・・ら
1.農業研修会(私が請け負う受託耕作代行農地)で実務体験 就農に必要な2反20a600坪の農地を複数年契約で担当する
新規就農までは行かなくても 家族が食する程度の栽培を続けることは可能であり 新規就農に至る資金的な心配も無い 言い換えれば腕白農業研修会で管理する農地で 収穫物が給与(現物支給)のパートやアルバイトを続けて行く方法ですね
(但し この方法は 農業研修会主催者 私が生きている間の限りのある方法に成ります)
 
2.資金繰りを検討しながら 購入する農地を探す お奨めの方法は、後継者の居無い農家さん 廃業予定の農家さんを探し その農地を農家さんに代わり代行耕作をして 実績を積み担い手就農(耕作代行農地を購入)を計画し 目処が立ったら新規就農をする
 
    
 

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posted by 腕白オヤジ at 08:25| Comment(0) | 新規就農