2023年11月21日

環境配慮のお米作り

ヘアリーベッチの雑草抑制効果

稲刈り・稲架掛け・脱穀が終わったら直ぐ 来年の稲作の準備が始まります。
秋起こしをする事で 刈り取った稲株や 稲藁を微生物による有機物への分解促進や 集積した養分の混和などの効果を持ち、作物の生育環境を最適に整えるための大切な作業です。。

秋起こし

耕転

藁の漉き込み
秋起こしをした後 ヘアリーベッチの種を蒔きます



ヘアリーベッチ hairy vetch ナヨクサフジ(学名:Vicia villosa)
ヘアリーベッチのアレロパシーによる雑草抑制効果
緑肥「ヘアリーベッチ」を活用した 有機稲作技術の確立 緑肥「へアリーベッチ」を活用して水稲栽培の化学肥料低減に取り組んでいます 農林水産省・環境省も推奨する ヘアリーベッチ栽培は 多くの県で取り入れられています。

以前は 春先になると稲作田圃には、蓮華草が咲いていました
近代農法・慣行農業が進むにつれ 秋起こしもされなくなり 田植え前に耕転して 雑草抑制剤農薬をまき 化学肥料を投入し 稲作がされるのが当たり前に成ってしまいました。

腕白農業研修会は稲作を始めた初年度から 無農薬・無肥料・除草剤不使用で蓮華草稲栽培をして来ました。
3年前から 蓮華草より緑肥効果・雑草抑制効果が有るとされるヘアリーベッチ栽培を続けています

田圃の様子

真菰
水や耕作土の浄化効果が有る真菰丈を植え タニシとの共存 除草剤を使用しなくても田圃の中には草一本も生えていません 水の澱みや藻の発生も殆どありません
お玉じゃくし・小魚・虫の幼虫・甲殻類が沢山動き回っています。

腕白農業研修会 研修田の周辺田圃は 相変わらず農薬散布をしていますが 草茫々の田圃 稲は何処?と言う田圃まであります 
慣行栽培を続けて来た農家さんは 無農薬・無肥料でヘアリーベッチ栽培をする事が怖くて出来ないのでしょうね 有る意味農協指導栽培が安心で安全 確実に収穫が約束される・・・神話に成っています 

ヘアリーベッチ栽培は 自然な環境が保たれていると感じます 環境配慮のお米作りですね



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posted by 腕白オヤジ at 08:07| Comment(0) | 栽培知識

2023年09月16日

栽培方法で収穫量が変わる

前回は 慣行・有機・自然栽培・自然農 の栽培方法の違いに付いて書きました。

慣行農法は 化農薬・肥料を使用して 安定した品質・採れ高を維持する 現在の支流農法です。
この農法は、戦後の高度成長期に 市場流通に欠かせない必要な農法だった事は否定できません
現在は時代も変わり 寄り良い物を 安心や健康面などを求められる為 科学部質を使わない 有機物質 自然由来の農薬や肥料を使う 農法に換わりつつあります

この有機栽培法を推奨する農林水産省は 有機栽培と慣行農法を明確にわける為 概念や基準を設け 有機JAS認定をしています。
認定を受けるには 条件をクリアーして許可 継続するにも費用が嵩みます 大規模生産農家には可能ですが 小規模農家には負担が多く 経営的に見合わないのも現実です それは採れ高 栽培品の収穫量が異なる=収益が違って来ると言う事ですね

農業で生活できるのか?で 稲作の採れ高に付いて書きました 
稲作 収穫量は一般的に水田 1 反当り米 9 俵程度と言われていますが 慣行農法でも栽培方法が異なり 次第では10俵 植え付け間隔や株間を狭くし相応の肥料を加える事で 11俵 12俵も可能と言われます、
米価は玄米 1 俵当り 13,000 円程度(農協経由市場の場合)所有する田圃の数で考えると歴然と差が出ます。

仮に慣行農法の稲作を基準に 10俵前後とすると 有機・減農薬の場合は7〜8俵2〜3割減に成ります
自然農と言われる 殆ど原始的な栽培だった 1600年代の江戸時代初期の平均収量を見てみると約1石(3俵前後)/反 だったと言われています 田圃一反で米が1石採れる事から 一石の主と呼ばれた 
稲の品種改良 交配させ寄り穂が多い品種などに改良され 栽培方法 有機肥料(自然な物)改善改良され 大正 明治の頃には採れ高は飛躍的に増えてきました 現代の慣行農法前の、昔ながらの自然栽培です。

稲作以外でも同様に 化農薬肥料を使用する慣行農法を10とすると 近代農法(ハウス・水耕・AI)は12〜以上にも 有機栽培は9〜8 無農薬無肥料の自然栽培では7〜8 不起耕自然農では更に収穫量は減ります  
農業として考えると 不起耕自然農は採れ高が極めて少なく 商いにはなら無い 消費目的や趣味の域と言っても良いと思います。

化学肥料農薬は使用したく無い 人工的な有機物質も使用し無い 自然由来の物だけで栽培がしたい 昔ながらの自然栽培で そこそこの採れ高を望みたい・・・・矛盾した考えに成りますよね

最近では 色々と新しい栽培法が提案されています
腕白農園の稲作は 化肥料農薬を一切使用せず 更に市販の有機肥料も使わず 自然由来のものだけを使用しています。
刈取り後 ヘアリーベッチ(マメ科)の種をまき 田植え前に鋤き込む緑肥 藁や籾殻 米糠ぼかし 発芽玄米醗酵酵母液(EM菌液)などを使用して栽培 採れ高は慣行農法には及びませんが 凡そ8俵を得ています
減農薬・有機肥料栽培で 7.5俵と言われていますが 若干採れ高は良い様です。


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posted by 腕白オヤジ at 07:34| Comment(0) | 栽培知識

2023年09月10日

慣行農業って何?

家庭菜園やシェア農地をされる方 農家に成りたいな〜と言う方の多くに 現在の慣行農法に疑問を持たれる方と思います。

現在一般的に市場に出回っている農産物の多くが 慣行農法(地域の農協を介し市場流通)で作られた物と 有機栽培(農林水産省認定JAS)で作られた物に限り市場に出ています。
中には 卸売市場を介せず 生産者と直接取引をしている 作物には 無農薬・無肥料栽培の物もあります

そもそも慣行農法とは何か ネットで調べると 
慣行農法とは、化学肥料と農薬の使用を前提とした栽培方法です。
化学肥料や農薬に頼らない自然農法は収穫量が少なく、供給が安定しません。
それに対し慣行農法は、化学肥料と農薬を使うことで短期間かつ安定的に生産が可能です。
と書かれていると思います。

何故 この農法が慣行なのか・・・
1947年(昭和22年)に農業協同組合法(昭和22年法律第32号)が公布・施行され 現在の農業協同組合が生れました
現在の農協の前進は 農業団体として農会法(1899年)に基づく農会があり 農会法は1922年(大正11年)に大改正を経て農政補助機関としての性格を強め 1943年、食料統制を円滑に進めることを目的に農業団体法が制定された
戦後 農協制度を構想してGHQと交渉し、1947年(昭和22年)に農業協同組合法(昭和22年法律第32号)が公布・施行され 農協が設立された
戦後の高度成長時に農産物の安定供給を図り 栽培法の指導や収穫量を上げる為に 化学肥料と農薬を推奨した
その農協が推奨する栽培方法 戦後から現代に至るまで続けて来た この栽培方法が当たり前とされ 慣例化され慣行農法と言われている

何故 今日もこの慣行農法が一般的で 市場流通の農産物なのか
それは お米や野菜など農産物 全国の色々な地域で栽培されている その地の沢山の農家さんが栽培している訳ですから 大規模農家さん 小規模農家さん 全てを集めて市場に送るためには 
其々の品質やサイズなどの統一を図る事 生産性を上げる為 栽培方法の指導や農薬・肥料を提供する

多種多様の食料品全てに 品質表示がされています それと同じで 農協の指導栽培法で育てている農産物は 安心で安全です 農協が保障します・・・と品質表示的役割を担って居る訳ですね
農業者も消費者も 一般常識の様 当たり前・・成っているのが 慣例化された 慣行農法に成ります 

消費者意識が変わる 市場の農産物を買わない 無農薬・無肥料・有機栽培の農家さんから直接買う・・等の時代変化 
無農薬・無肥料・有機栽培を推奨する 新たな農協が発足しない限り 

今後も、この慣行農法は続くと思います
 
最も安心で安全な農作物は 自身で栽培した農産物しか有りませんからね



posted by 腕白オヤジ at 17:57| Comment(0) | 栽培知識