2023年09月13日

慣行・有機・自然栽培・自然農

農作物の栽培方法は 大きく分けると 慣行農法・有機栽培・自然栽培・自然農に分けられる 自然農法は支持する人で自然農とか自然農法と区別する人も居る様だ

栽培方法に何が違うのか
1.慣行農法に付いては前回の記事「慣行農業って何?」で紹介している様に 農協指導の栽培方法で化農薬や肥料を使用して 均一な品種 生産量を上げる為の栽培方法ですね

2.有機栽培とは 化学物質を使用せず 自然由来 有機物資を使用して栽培をする農法 
これは農林水産省の定義があり 認定を受けた生産者に 有機JAS認定が与えられ 有機栽培品と表記が出来る
認定されていない生産者は「有機〇〇やオーガニック〇〇」と表記ができない
逆に有機JAS認定を受けていると 有機や自然由来でも肥料や農薬を使用するので 無農薬・無肥料と言う表記は出来ない 
解りやすく紹介しているサイト「有機JAS規格とは?認定制度や表示マークについて」 

3.自然栽培とは これ関しては 色々と異なる見解を示す方々が居ます 大きく2種類かな
@ 近代農法・慣行農法が定着する以前 昔ながらの栽培方法 勿論化農薬や肥料の無い頃の栽培なので 自然な物 家畜糞 培養土 緑肥 籾殻米糠ぼかし 等を肥料とし 発芽玄米酵母液(EM菌液)や醸造酢などを農薬として使用する栽培方法を自然栽培と言う 有機農法と同じ様に聴こえるが 農林水産省の言う有機肥料や農薬とは異なるので 有機とは表記できない 
A 一切の肥料・農薬を使用せず 自然から学び、自然を尊びながら自然に添っていく そして大自然の法則を田畑に応用するという方法 自然のままでは無く 人が手伝い 手を加え 自然と共生している栽培法

4.自然農法や自然農は 自然栽培の後者 Aと同様に一切の肥料も農薬も使わない栽培方法で 更に耕作地田畑を不起耕 耕さない栽培方法を言う 自然任せと言う感じかな
どちらが自然農・自然農法が定かではないが @一切耕さない栽培法と草も殆どそのままにしておく方法 A栽培する作物により、植える場所だけ若干土を柔らかくする 作物の周りだけ草を根上で切る等 少し手を加える方法

大きく4種類 細かく見て6種類の栽培法がある
1.の慣行農法は化農薬・肥料を使用する 2.の有機農法は有機物や自然由来の物を人的に加工した(農林水産省が認めた加工品)肥料や農薬を使用する方法
3のAの自然農法 4の@A共に一切の肥料や農薬を使用し無い 無農薬・無肥料栽培です

両者に属さない栽培方法が3.@の自然栽培方法 農協が作られる前 戦前の栽培方法 農耕が始まり人達が色々と考え思考錯誤して 少しづつ進化させてきた 昔ながらの栽培方法
土を耕し 沢山の空気を含ませ 緑肥や培養土を漉き込み 自然な栄養を与え 自然の常在菌で元気に 最小限の草を刈り育てる  人は作物が育ち易いように手伝うだけ 
農協が発足し、指導や推奨した栽培方法が 今の慣行農法と言うならば 農協が発足するまでは その受け継がれた来た自然栽培方法が慣行農法だったと言える

この腕白農業研修会は この昔ながらの自然栽培方法を推奨する 研究会です。 



posted by 腕白オヤジ at 11:17| Comment(0) | 概論・自論

2023年09月10日

慣行農業って何?

家庭菜園やシェア農地をされる方 農家に成りたいな〜と言う方の多くに 現在の慣行農法に疑問を持たれる方と思います。

現在一般的に市場に出回っている農産物の多くが 慣行農法(地域の農協を介し市場流通)で作られた物と 有機栽培(農林水産省認定JAS)で作られた物に限り市場に出ています。
中には 卸売市場を介せず 生産者と直接取引をしている 作物には 無農薬・無肥料栽培の物もあります

そもそも慣行農法とは何か ネットで調べると 
慣行農法とは、化学肥料と農薬の使用を前提とした栽培方法です。
化学肥料や農薬に頼らない自然農法は収穫量が少なく、供給が安定しません。
それに対し慣行農法は、化学肥料と農薬を使うことで短期間かつ安定的に生産が可能です。
と書かれていると思います。

何故 この農法が慣行なのか・・・
1947年(昭和22年)に農業協同組合法(昭和22年法律第32号)が公布・施行され 現在の農業協同組合が生れました
現在の農協の前進は 農業団体として農会法(1899年)に基づく農会があり 農会法は1922年(大正11年)に大改正を経て農政補助機関としての性格を強め 1943年、食料統制を円滑に進めることを目的に農業団体法が制定された
戦後 農協制度を構想してGHQと交渉し、1947年(昭和22年)に農業協同組合法(昭和22年法律第32号)が公布・施行され 農協が設立された
戦後の高度成長時に農産物の安定供給を図り 栽培法の指導や収穫量を上げる為に 化学肥料と農薬を推奨した
その農協が推奨する栽培方法 戦後から現代に至るまで続けて来た この栽培方法が当たり前とされ 慣例化され慣行農法と言われている

何故 今日もこの慣行農法が一般的で 市場流通の農産物なのか
それは お米や野菜など農産物 全国の色々な地域で栽培されている その地の沢山の農家さんが栽培している訳ですから 大規模農家さん 小規模農家さん 全てを集めて市場に送るためには 
其々の品質やサイズなどの統一を図る事 生産性を上げる為 栽培方法の指導や農薬・肥料を提供する

多種多様の食料品全てに 品質表示がされています それと同じで 農協の指導栽培法で育てている農産物は 安心で安全です 農協が保障します・・・と品質表示的役割を担って居る訳ですね
農業者も消費者も 一般常識の様 当たり前・・成っているのが 慣例化された 慣行農法に成ります 

消費者意識が変わる 市場の農産物を買わない 無農薬・無肥料・有機栽培の農家さんから直接買う・・等の時代変化 
無農薬・無肥料・有機栽培を推奨する 新たな農協が発足しない限り 

今後も、この慣行農法は続くと思います
 
最も安心で安全な農作物は 自身で栽培した農産物しか有りませんからね



posted by 腕白オヤジ at 17:57| Comment(0) | 栽培知識

2023年09月08日

農業で生活できるのか?

前回の記事は 農業とは 定義 に付いて書きました。
「農家とは 耕作面積が10a以上の耕作地を所有し 年間農業従事日数は150日以上 年間15万円以上の農業収益が有る者が居る 世帯の事です」と書きました。
何か変だと思いませんか?

上記の条件 耕作面積が10a以上 10aとは1反300坪ですよ 街中の住宅は35坪前後の敷地に家を建てている 何倍もの広い面積の農地が必要
この農地で年間15万円以上の農業収益・・・?? 現在の平均所得は350〜450万円位ですよね
しかも 年間農業従事日数は150日以上ですから 一年の半分は耕作していないとダメです

因みに一反当りの稲作収入は・・・
収穫量は一般的に水田 1 反当り米 9 俵程度、食料・農業・農村白書によると平成 22 年 の平均反収は 530kg/反である。 直近の農家手取り米価は玄米 1 俵当り 13,000 円程度な ので、水田 1 反当りからの収入は、12 万円弱となる計算に成ります(農協経由市場の場合)。

一般的な所得で見ると 稲作では10反で 120万円 20反耕作して240万円・・・平均所得には30反9000坪300a 3ha(ヘクタール)30,000m2です 東京ドーム一個分に相当します。

農協を介せず 自家販売する場合 一般的な市場価格は 10kg/3500円 平均平均反収は 530kgとして 185,500円 10反で1855,000円
無農薬・無肥料・有機栽培の特選米 ブランド米として販売しても 10kg/6000円前後 318,000 10反で10倍の3180,000円 それでも平均所得には足りない
自家販売となると トラクター・田植え機・コンバイン・乾燥機・脱穀精米機・選別機が必要に成ります その農機具の経費を考えると 大した金額にはならない

では路地野菜なら・・・
確かに路地野菜は、春植えと秋植えの2回耕作が出来 収穫も2回なので 単純に一反当りの収益は2倍に成りますが・・・・・稲作と違い 耕作に従事する時間は2倍 3倍では足りません 労力がその分嵩みます

現在の小規模農家さんは概ねが兼業農家 平日は会社勤務お勤めをし 週末農業で生計を立てている方が殆どです
それも 先代から農業者で農地を新たに購入し無い 継承者 若しくは担い手です
親の代から大規模農業を営み 相応の農地を所有する者は 農業者として商いに成っているけど 高所得事業者とは言えないのが現実

そんな環境下・現状の中 親が農家でも無い 農地を所有している者でも無い人が 現職を辞めて農家に成る・・・は 正直 無理!

新規就農条件は
イ 認定農業者 農業経営士 市町村の定める農業経営基盤の促進に適した農家で2年以上 年間150日以上の農業経験を受けた者
ロ 農業学校などの専修課程を修了した者
ハ 青年等就農計画制度で認定を受けた者 認定就農者
ニ 上記同等以上の知識及び技能を有すると認められ、地域の農業委員又は生産組合長の推薦を受けた者

農地を取得する為には 上記の条件を満たし 地元の農業委員会の承認を得て 農地法3条の申請許可を受ける子必要があります

上記条件を満たす為には 現職を辞め 農業法人に勤務 若しくは認定農家で従事 2年以上 年間150日以上の農業経験を受けた者に成ります。

2〜3年実務経験を得て 新規就農が叶って 愛知県の新規就農条件の20a2反の農地を取得しても 生活できる程の収益は見込めない・・・
農家に成ったのに 農業所得の足りない分を副業で稼ぐしか無い・・・
しかし 前職業は既に退職しているから 新たに就職が必要に成る訳ですよね 何をやっているのか・・・訳判らん!状態に負いいるのが現実

現在 日本国内で新規就農されている方は 殆どが 継承者・担い手・農業法人からの暖簾分け就農者
条件 ロの農業学校などの専修課程を修了した者で 農地を持たない者は 農業法人や認定農家に就職 農協や農林水産省系列に就職 農地を所有する者は継承者・担い手に成っています。
新規就農者数に対し 高齢で農業を廃業する農家が増え 毎年農業者人口が減少している

親親族が農業者ではない 農業に従事していない 一般事業で勤めていた 自営をしていた人が 前職を辞め新規就農をしたケースは全体の数パーセントに過ぎない・・・

農業者が増えないのは・・・

就農する為には 就農条件を満たすには、時間や労力が必要 対して農業収益が少ない 農業では生活が出来ない・・・・誰も 農家に成らない筈ですよね・・・

でも 少ないけど実例は有ります 農業実務経験もなく 転職・新規就農をされている方が居ます
書いている私も 一切農業経験もなく 研修や実務体験もせず 新規就農を果たしました
現在、自己所有農地と管理受託農地を合わせて 約5反の農地を耕作しています ちゃんと生活もしています   

方法は有ります 私の経験から・・・・ 




posted by 腕白オヤジ at 11:11| Comment(0) | 農業者 農家